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2570地区について-地区の歴史

|  TOPガバナーメッセージ組織図  |  1984〜85年度 >>


清水達也ガバナー
1981-82年度ガバナー
清水 達也
シンプル化を目指して

シンプル化の一年
 物事を新しく始めるは易く、これを廃止するは大きな勇気を要する。ロータリーの役員一年制は多くのメリットを持っているが、反面ガバナーや会長が毎年ハッスルし、新プログラムや行事が採用される結果、次第にそれが慣習となって堆積し、身動きのとれない体質になりやすいという難点もある。
 地区ガバナー職をお預かりするに当たり、まず私が重点的に取り組まなければならないと感じたのは、そのエスカレート化にブレーキをかけ、思い切った地区内の簡素化を実行することであった。それがロータリーの健全な発展のため必要と、私なりに判断したからである。幸いこの方針は、予想以上に地区内ロータリアン各位から、共感とご賛同を得られたと思っている。
 さて、よく行政改革などに際し引用される言葉に「パーキンソンの法則」というものがある。これをロータリー風に意訳すれば、こんな文章になる……
  1. 地区役員の数は、仕事の量に関係なくふえる。
  2. 地区資金の予算額いっぱいまで、その支出は増大する。
  3. 組織が大きくなれば諸事が複雑になり、それが往々にして衰退への原因となる。
 この考え方に沿って私が実行したのは、おおむね次のようなことであった。
地区組織の縮小
 委員会数、地区役員数を可能な限り整理して縮小した。
人頭分担金の軽減と地区資金
 当該年度に1人600円を減額したが、結果的に剰余金950万円を次期に繰り越すことができた。「みんなの金」と「自分の金」との公私の区別をはっきりとさせさえすれば、「公金」はそんなに多額に使えるものではない。国際比較をしても、日本のロータリー地区は、外国と比べ異常とも言えるほどに豊富な予算を有している。豊富な金があるから、地区主催の行事がやたらに増えていって、時にはクラブが迷惑する。クラブの自主性尊重の見地からも、一考の余地がある。
公式訪問
 1日2クラブの訪問を5日間、10クラブ実施したほか、終了後のパーティーを全廃するなど、各クラブに極力負担をかけぬよう配慮した。年々増加しているガバナーの仕事量をもっと減少させることが、将来より良質で適任のガバナーを生むこととなる。ガバナー職は職業ではない。現役の職業人が職業と両立して勤められる程度に加減して、ガバナーは働けばよいと思う。
地区大会
 10月17、18の両日熊谷会館において、「ロータリーの秋まつり」と銘打って開催した。登録人員2,813名。出場者全員が公平に参加できる、2日目の屋外昼食会が好評を博した。地区大会のあり方についてはよく議論されるところだが、どこの町ででも開催可能な程度に小規模で、経費面でも安上がり、かつ内容的に充実した楽しいものを企画すべきと思う。
 大規模を志向する余り、「カラ登録」なるものを近年黙認する傾向もあるようだが、これは最もロータリー的ではない悪習だ。興業的要素ばかり強くなり、その収支決算の行方も気がかりである。
ガバナー月信
 必要最低限の記事でよいと考え原則8ページとしたが、全部自分の責任で編集した。なお地区大会の内容は、翌11月15日定期発行分の月信を大会特集号として、計39ページの小冊子にまとめて発行した。ちょっと忙しい思いをしたが、経費面でも、早期報告という観点からもよい方法であったと信じている。ガバナーは、RIへ数ページの地区大会報告書を提出する。しかし分厚い豪華本報告書を発行する義務はない。立派な報告書を出版する慣行は、どうも日本だけに限られているようである。
 そのほか、当年度に実施したことの中から、記憶に残るものを二、三記したい。
  1. 新年会長懇談会
     1月9日、熊谷市東洋会館において地区役員、各クラブ会長、幹事、イレクト約200名が参集し、オープンフォーラム形式により実施した。年度後半のロータリー運営につき活発な討論、質疑応答が展開され極めて有意義な会合であった。(経費地区負担)
  2. 日比高校生相互訪問
     フィリピン第379地区との完全な合意により第1回交換を実施した。3月に当地区から相原PGを団長とする25名が先方地区を訪問し、フィリピンからは5月に30名が来日したが、ロータリーを通じた両国間の国際理解と親善に大きく貢献した。アジアのへそに位置するフィリピンの重要性を考えるとき、このプログラムに対する意義と期待は大きい。
  3. GSEの組み合わせを拒否
     かねてから十分な合意がなされていた、南アフリカ第935地区を相手方とする「研究グループ交換申請書」をロータリー財団あて提出した。しかし予期に反し、財団はアメリカ第767地区との組み合わせを一方的に決定してきたので、当地区は慎重協議の結果、これを不満として辞退した。ガバナーはRIの役員ではあるが、盲目的に100%RIへのイエスマンであり続ける必要もないと思う。クラブまたしかり。

「地区のあゆみ3」より


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