ガバナーメッセージ
第2570地区テーマ / 『Smart Rotaryを探して』 ~継続できるロータリークラブとは~
+
『ガンバレ! 日本のロータリークラブ』
(1)はじめに
3.11(2011)「東日本大震災」が起こりました。また、それに伴う二次的な災害として「原子力発電所の事故」が起きました。
この度の大震災では多くの災害が発生し、その後の経緯には心を痛めております。被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
現在もまだ余震が続き不安な日々をすごしております。大震災の被害が日を追って深刻になりつつあります。被害にあわれて不自由な時を過ごされている方々の事を考えると辛く、一日も早く安定した日々が過ごせる様に救援を促進したいものです。日本のロータリーとして今こそ日本復活にむけて我々は力を示す時だと思います。
わが国の経済も、変化の激しい経済状況や、新しい課題に臨む社会の構築が進んでいるなか、やや足踏み状態の脱却の兆しが見られておりました。しかし、この災害は日本全体にさまざまな影響を及ぼし、それぞれの分野での未来への希望を持ったシナリオは大きく方向修正が必要となってきました。しかし、日本の持つ総合力(優秀な人材、技術、長い歴史に育まれてきた慣習や文化など)をもって対処すれば、早期の復興ができるはずです。
ロータリークラブにとっても、この大震災がメンバーの企業や家庭環境に変動をもたらし、それぞれの地域におけるロータリークラブ活動の有り方にも大きな影響を与えることが予想されます。今こそ我々がロータリー活動において最も得意とする「超我の奉仕」を掲げて勇気と友情をもって行動を起こそうではありませんか。そしてこの奉仕活動を通して、理念を共有する新しい仲間をもこの輪に参加していただこうではありませんか。
また、この大震災の二次災害ではあるものの、新たに原子力発電所の事故が発生してしまいました。近年の急速な科学技術の発展にともない、現在、我々は利便性の高い生活を楽しんでおります。
特に我々の生活の重要なライフラインである電力は急激に増えた需要に原子力の技術を生かし発電しております。脱炭素などの自然環境にも対応し、ますます期待をされておりました。しかし、今回は設計の想定以上の災害にあい、世界的な問題を引き起こす重大な事故になってしまいました。
今、日本では地震と津波の大震災、そして原子力発電所の事故に伴う放射能の脅威など、今まで経験したことのない大きな課題に直面しており、その解決策を見出すことに苦しんでおります。
RID2570も次年度に向かって、多くのロータリーメンバーのご協力を頂き、夢と希望を持って着々と準備を進めております。
GEとしても、1月のサンディエゴ(USA)における国際協議会も終了し、国内の各種の研修会、協議会や研究会などにも参加させていただき、多くを学ばせていただいております。また、2月にはPETSも開催し、次年度の基本的方針も発表させていただきました。そして各クラブの会長エレクトや地区役員の皆様とも親交を深める事が出来ました。
ここで3.11「東日本大震災」に対して、当地区として日本復興を目的とした新たに大きな奉仕プログラムを追加したいと思い、ガバナー方針に急きょ大震災にともなう内容を追加いたしました。これを機会とし、未来に向かって夢と希望を持ったロータリークラブとして再生するために各ロータリークラブ・D2570・そして国際ロータリーとして、今こそ行動を起こそうではありませんか。そして一日も早く「明るく・楽しく・美しい」ロータリークラブライフが送れるよう頑張ろうではありませんか。
『ガンバレ! 日本のロータリークラブ』
(2)ガバナー方針
今また社会は科学の進歩、世界経済のバランス等大きく変化しています。しかし、前記のように我国は大きな災害に遭遇し、放射能問題を含む二次災害をも引き起こし、かつて我々が経験したことのない苦難に直面しております。
1935年、ポール・ハリスは「世界は絶えず変化している。そして私たちは世界とともに変化する心構えがなければなりません。」と記しておりました。75年たった今も、めまぐるしく変わる世界は同様です。この時代に我々も自らを見失うことなく「ロータリーは変化する時代に対応してより良い方向を目指しているのか」自問自答しつつ考えてみたいと思います。
『ロータリーって何ですか?』の素朴な質問にあなたはどう答えますか?
大震災後にこのテーマを再考すると、このフレーズも複雑な思いがします。
1905年、シカゴでPハリスら4人によって創立されたロータリークラブは既に100年の歴史を越えました。その間、ロータリー活動は時代の変化とともに対応し職業を通じた社会奉仕へ、そして世界への国際奉仕へと広がりました。
現在、新世代の若者にも将来を託すべき、さまざまな奉仕活動を行っていますが、日本ロータリーの誇る米山奨学制度もその一環です。そして未来のロータリーにむかって、RI「長期計画」やロータリー財団「未来の夢計画」などを提示して、統一した方向と目的をもって運営していく決定がなされています。各クラブ、メンバーはお互いの親睦を深め、RIの世界共通の目的に沿ってさらに友情の輪を広げているところです。
このように素晴らしいロータリー活動ですが、そのすべてを明確かつ効果的に説明するには、この短い紙面ではとても足りません。積極的な活動を頂くなかで、1年後に皆様と共に更なる答えを見つけたいと思います。
(3)重点事項
①各クラブは大いに、自由に活動を!
ロータリーの基本はクラブです。地区は各クラブの活動を応援します。
数年前よりCLPの導入により各クラブは独自の刷新性を含め自由に柔軟に運営できるようになっています。組織や活動内容は各地域との独自性・独創性を生かして大いに活発な活動をしてください。
各クラブの会員はお互いに親睦を深め、ロータリーライフを楽しんでください。
*また、この大震災にともないロータリークラブの得意とする奉仕活動「超我の奉仕」をおおいに発揮してください。
②会員増強を!
時代の変化とともに、ロータリーをはじめ他の団体でも会員の減少が進んでいます。これには社会を取り巻く科学の進歩から色々な価値観の相違が進み、それぞれの目的も多様化したと思われます。しかし、ロータリークラブには歴史のある世界的な活動とブランドがあります。このリソースを地域の活動に生かし、会員の増強を計って頂きたいと思います。
また、若者や女性にも理解を求め、この力を大きく広めていただきたいと思います。特に現代の若者達が有効かつ効率よく利用している情報ツールの応用や会議のあり方の研究も必要な要素だと思います。またRI推奨の「e-クラブの研究委員会」を発進し、来るべき時代の可能性を探りたいと思います。
*この大震災の時、ロータリークラブ活動に共感していただける方をも仲間にして、参加していただきましょう。
③職業奉仕から社会奉仕へ!
ロータリークラブは1905年にシカゴから職業奉仕を原点に創立されました。そして社会奉仕へと発展しました。近年の煩雑な社会状況や世界的情勢のなかにおいても、ロータリーの仲間で大いに職業、経済について語り合いましょう。また高度な情報時代の中、大いに異業種交流をしてください。そして職業の発展が社会への奉仕の貢献に強くつながることを認識しようではありませんか。
各クラブは地元において、それぞれ素晴らしい社会奉仕を行っています。
その中で近年は変化の早い社会状況に対応すべく、更なる多様性も求められています。それぞれの地域のニーズに合った活動を展開して大いに社会奉仕に役立てていただきたいと思います。
そしてロータリーの広報活動を中心に、これらの奉仕が「公共のイメージとロータリー認知度の向上」につながれば誠に喜ばしい事であります。
またこれらの事業の一環として、微笑ましい「ブライダル事業」(愛のキューピット作戦)を。そして埼玉県のロマンでもあり、また地区事業としての「世界遺産の推進」や自然環境をテーマに「ロータリーの森」。その他、「アイバンク」等にも協力します。
*この大震災において、我々の企業経営も多くの難関に立ち向かわなければならないことを想定しなければなりません。この際、職業奉仕分野でもロータリー仲間の協力と友情を発揮してください。
④時代に見合った国際奉仕を!
ロータリークラブは多くの国際奉仕を行っています。代表的には「ポリオ撲滅」がRIの最優先事項とされています。この活動もみなさまの協力で「Final Inch Polio」・「End Polio Now」の標語にあるように終盤を迎えています。
また当地区も多くの国際奉仕活動を現在も行っています。ネパールや他国への識字率の向上や里親運動の支援、また地雷除去活動などの協力など、それぞれに成果を出して参りました。これらの活動も現在では地区からクラブごとに独自で計画し行動するように進展して参りました。これは地域の役割の徹底と理解、達成の成果にほかなりません。
また近年は世界中の経済的発展や安定的社会としての国際的関係のあり方に大きく変化を遂げています。またインターネットやフェイスブックなどの技術の進化発展により、交流方法や奉仕形態の内容も変わろうとしています。ロータリー活動は自らこの変化に対応させていかなければならないと思います。過去の奉仕の形態にとらわれず、新しい目的をもって国際奉仕の創造をして行きたいと考えます。
*過去から現在まで日本のロータリークラブは国内、海外における大きな国際奉仕活動に協力をしてきました。大震災のこのとき、海外ロータリークラブへの協力要請をも含め国際ロータリーのネットワークの力を発揮すべき時であると思います。
⑤次世代の青少年・青年へ!
将来おおいに活躍をしていただきたい青年達に期待して、今年も協力し活動に致します。
RIでは第5奉仕部門として新世代奉仕を認定しました。次世代を育てる奉仕の理念は未来の社会構成におおいに貢献できるものと思います。
地区では新世代奉仕としてインターアクト、ローターアクトやRYLA等の支援を行います。青少年交換プログラムも準備の段階から実施し、国際理解を経験を通じ将来を見つめていただきたいと思います。またR財団の国際親善留学生にもおおいに協力支援を行い勉学に励む一助としたいと思います。
また日本ロータリーの誇る米山記念奨学制度を通じ、未来の日本と世界の理解と一致させ、その心を共有していきたいと思います。
*次世代の若者にこの大震災の現実を見届けていただき、未来への参考にしていただきたく思います。夢と希望を失わないよう応援しましょう。
⑥みんなで語ろうロータリー!
今年も地区では多くの会議や各種セミナーが実施されます。これには多くの皆様に参加していただき、大いにロータリーを語りたいと思います。
ガバナー補佐には各グループのリーダーとして各クラブの先導役をしていただきます。また会長・幹事にはリーダー会議を通じて現状把握や情報交換して頂き、多くの活動に生かしていただきたいと思います。また各部門や委員会の会議やセミナーには各クラブの委員長に参加を要請し、リーダーシップ研修もかねたいと考えます。ただし、クラブの組織・規模等による対応も可能です。
また地区では、RIの推進として各クラブの研修リーダーの確立やRLIのシステム導入を課題として多くのプログラムを準備しております。その他、各地区リーダーにはスムーズな地区運営の推進に向け、協力をお願いします。
K・バネルジーRI会長の提唱するテーマには下記のような3つの強調事項がございます。
第1強調事項 「家族」:素晴らしい家族・家庭を築きそれぞれの地域社会への貢献、そして世界へ奉仕を!
第2強調事項 「継続」:ロータリーの奉仕として安心な水・疾病の予防・識字率の普及などの活動や新世代に未来を託し、世界平和に向かって長期的な計画に基づき継続実行する!
第3強調事項 「変化」:時代の変化にのぞむなら自分自身が変化の担い手とならなくてはならない!
(要約)
地区ではこのテーマを基本として、皆様と共に活動していきたいと思います。
⑦『Smart Rotaryを探して』 ~継続できるロータリークラブとは~
冒頭に掲げたように、今もたいへん早いスピードで社会が変わりつつあります。他の多くの団体、そして国家までがその構造や内容を検討し変えようとしています。
ロータリークラブも創立以来約1世紀(100年)が経過し、次なる新世紀に向かい時代の変化にも対応できるように新プログラムの推進を計っています。RIの「長期計画」(戦略的計画)が未来への基本的計画です。またロータリー財団の「未来の夢計画」もRIの方針と共有した目的を設定し、新補助金システムをも含め新時代への対応を推進しています。この両方がロータリーマークのように有効に機能を発揮し、新しい目的が創造されることを期待しています。
*今年度の大方針は変わることはありません。ただ、大震災の影響を受けている各ロータリークラブの状況から英知と的確な判断、ロータリアンの友情を持ってすべての事業に対処してください。地区は、各ロータリークラブの活動を応援します。
当地区は、大震災に伴う事態の対応はもちろんの事、さらなる新時代に向けて大いなる夢と希望を抱き、楽しいロータリークラブになる事を目標に邁進いたします。
そして、『明るく!楽しく!美しく!』を心情にロータリー活動を行います。
『Smart(賢い) Rotaryを探して』
~継続できるロータリークラブとは~
『ロータリーって何ですか?』 もう一度あなたに問いかけます。