細井保雄エレクトから「理想的なクラブ」に付いての話をして欲しいと依頼を受けました。これは理想的なクラブ作りという事を次年度の目標の一つに置かれたという事だと思います。
理想的なクラブが多く出来れば理想的な地区となります。
1.理想的なクラブ(元気なクラブ)について。
①としては、RI戦略計画言い換えれば長期計画に基づいたクラブ運営を行っているクラブです。クラブに委員会を置くことから始まります。戦略計画は3つの優先項目があり、クラブのサポートと強化、人道的な奉仕の重点化と増加、公共イメージと認知度の向上となっています。これらの原動力が中核的価値観であり、親睦と国際理解、倫理と高潔性、多様性、職業の知識とスキル、奉仕、リーダーシップとなっています。多様性ということが今後のロータリーの在り方をよく表していると思われます。
②として、会員増強が出来ている、それも男女、年齢、職業等のバランスの取れた会員増強→クラブ地域の職業分類が重要です。
③として、奉仕の理念に基づいた親睦と奉仕活動を行っている。
④として、ロータリー財団を支援している。
⑤として、次のリーダーの備えがあるクラブ。
⑥として、人数的な問題ではどうでしょうか。
クラブ会員は最低36人位というのが1つの目標でしょう。何故かというと、RIは望ましい地区の姿としては、少なくとも75クラブ2700名としていますので、1クラブ当たり36名となります。日本全体での平均はこの2月12日現在で39.4人程度ですが、我が地区は会員数が今年1月末で1652人ですので平均32.3人となり、全国平均と比べて1クラブ当たり7.1人少なくなっています。目標36人だとすると1クラブ3.7人の増強が必要となります。
⑦として、ロータリアンの質の問題も重要な要素です。
ロータリアンはどうあるべきか、なかなか難しい問題ですが、
→所謂「ロータリアンの責務」を十分認識している。
ロータリアンは、ロータリーの目的、プログラム、活動に十分精通し、その交友および職業上の知己を通じてロータリーの意図と業績を推進する機会をもとめるものと期待されている。
ロータリアンは、ロータリー発展と奉仕活動を改善、拡張するために、ロータリーとは何か、ロータリーが何をしているのかについて、自ら他の人々にしらせ、地域社会におけるクラブの存在感を一層際立たせる力となるよう要請されている。
→奉仕の理念の理解をして職業的倫理観を仕事に生かしている。
→奉仕の実践(個人=職業的、クラブ内での、公共的奉仕活動)をしている。
→四つのテストを言行している。
→倫理感を持った多くの友達がいる。
→ロータリーの歴史を知っている等々。
⑧ロータリーはボランティア団体でしょうか?
ロータリーはボランティア団体ではありません。ボランティア活動は行っていますが、基本的には、職業倫理観を高めその成果を社会に還元する団体なのです。
⑨ロータリアンの心構えはどのようなものでしょうか?
この事を的確に表した言葉があります。2人の言葉を紹介します。
*ポール・ハリスの言葉2つ紹介します。
「ロータリーで大切なのは寛容の精神だ」
→考えや行動や習慣が違っていてもこれを受け容れる心が大切。
「ある人物のビジネスはその人の人となりの最善かつ最も真実なる表現であるというのがロータリアンの考えである。事業生活が潔癖であれば、社会生活もそうである可能性が高い。ロータリー・クラブの会員の人格は高い水準に維持されなければならない。ロータリー・クラブの会員からあなたの友人や私の友人がうまれるからだ」
→この言葉から倫理がロータリーの柱になった。
*ロータリアン以外の言葉として
「ロータリアンは超我の奉仕が標語なのですから、奉仕のために時間を捧げない人は、ロータリアンを名乗るべきでない」
これは1980~1981年度ブラジル、サンパウロでの国際大会でのマザー・テレサ(インド、カルカッタ)の言葉なのです。その時のテーマは、「時間を捧げよう 奉仕のために」でした。
→バッチを付けているだけではロータリーの会員であっても、ロータリアンとはいえないのです。ロータリー精神の下奉仕をするのがロータリアンです。(例会、セミナー等の欠席も同じことです)
⑩他の団体と比べてロータリーの違いはなんですか、と入会予定者に聞かれたらどう答えますか?
奉仕活動等をしてそのことで自分の人間的価値を高めるというのはロータリーだけの特権では無いと思います。他の団体に比べてより一層ロータリーが誇れるものが無いとロータリーの存在価値が低くなっていくでしょう。ロータリーは専門職種や事業人、地域のリーダー達の集まりで、クラブで親睦を深め友達を作り奉仕の理念を学び自己を研鑽して倫理観を高め、自分の職業や地域社会の向上を目指しています。また「超我の奉仕」と「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」という二大テーマの下に奉仕活動を行い究極的には世界理解、親善、平和を目的としています。
この職業を通じての奉仕活動はロータリー独特のもので、職業奉仕活動の理念が「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」です。
「超我の奉仕」は人道的奉仕活動、社会奉仕や国際奉仕での理念であり、この意味する所は、奉仕活動等で利己と利他の心のせめぎあいの中で自分より他人を優先して他人のために奉仕する精神を表しています。ロータリーの親睦(友達作り)や奉仕活動(ポリオ撲滅運動等)は国際的な繋がりのある奉仕団体として大いに誇れることなのです。
この様にロータリーの理念や活動は素晴らしいものなのです。
2.理想的なロータリアンを育てるにはどうすればいいか。
①親睦(友達作り、心の繋がり)からのロータリーの理念の理解の促進、ロータリー精神の会得
1つの方法として会長は例会時に必ず毎回ロータリーの話しをする事、この会長の話をきっかけとして、クラブ内で職種の違うロータリアンが自分の仕事での実践例等を議論することにより、お互いがロータリアンとして人間として成長していく事ができる、この事は桶の中で芋を洗う事に例えられる。
②「奉仕の理念の下に奉仕の実践を行う」
クラブはロータリアンが真似してやりたくなるような手本となる奉仕プログラムを行う事が良いとされています。基本はI Serve。
③卓話や研修会を行う
RI会長テーマの理解(次年度イアン・ライズリー会長のテーマはロータリー:変化をもたらす)や特に職業奉仕の理念の理解等を通じて学ぶ事の楽しさを味わう。
ロータリーやクラブへの愛着を育てるためには必要です。出席することに喜びを見いだすようになれればいい。
④「他クラブや他地区の例会や行事、地区セミナーや国際大会への出席(広く見聞を広める)」
ロータリーは教わるものだはなくて、学ぶものだといわれています。よく言われる言葉として「入りて学びて出でて奉仕せよ」があります。
理想的なクラブ作りの第一歩はロータリアン作りから始まるものだと思います。
以上簡単に理想的なクラブという事で私論をまじえて申し述べました。