本事業の目的は、国際平和と国際理解の推進であり、日本で学ぶ留学生を支援する事により、日本人と日本文化を正しく理解し、将来日本と世界を結ぶ懸け橋として国際社会で活躍する人材を育てる事です。
私達が米山奨学生に期待していることは、
・一生懸命勉強すること、
・日本人と日本文化について多くのことを学び正しく理解してもらうこと
・日本と世界を結ぶ懸け橋として国際社会で活躍してくださることです。
これまでに支援した奨学生は18648人、出身国は123カ国以上に達しており、民間では国内最大の奨学事業です。特に、世話クラブ及びカウンセラー制度は、ロータリアンとの交流により、金銭的な支援だけではとても得ることの出来ない感動を与えてくれる独特の事業です。
長い歴史の中で、米山記念奨学事業は間違いなく成果を挙げております。当部門では、毎年、奨学期間を終了した奨学生に寄稿してもらい文集を作成しておりますが、ある奨学生は次のように残しております。
「多くの人々は自分では何も出来ないと思っています。私もその一人でありました。しかしロータリークラブの方たちを見ながら、平和は望むだけではなく何かをしなければならない、行動しなければならないと感じました。今後、日本と母国との経済交流の小さな力になれるよう頑張ります」と。またある奨学生は、「ロータリークラブの方々と出会い、自分が成長する事だけを望むのではなく、周りの人に良い影響を与えられる人になりたいと思うようになりました」と。
他の奨学生も同じように日本の平和を肌で感じ、日本の文化や地域社会と触れあう貴重な体験をされております。この実績をしっかりと踏まえ、我々は更に前進しなくてはなりません。
地区の奨学生の受け入れ人数は、前年度の
・その地区の留学生数、個人の平均寄付額、地区の寄付総額によって決められます。
この寄付額を重視した算出方法は、寄付意欲が高く、奨学生をより多く採用したいと望む地区の要望に応えられるように採用されております。
ぜひとも、私達の地区もお隣2770地区に追いつきますよう引き続きご支援をお願い致したいと存じます。(個人平均寄付額目標:15000円)
次年度の地区の米山記念奨学部門の年間事業としては、その都度ご案内は申し上げますが、現在のところ
4月2,3日 新奨学生オリエンテーション及びカウンセラー会議
5月 ロータリーの森清掃奉仕活動参加
6月5日 学友総会
7月9日 米山記念奨学部門セミナー及びカウンセラー会議
8月14,15日 秩父音頭祭り参加
9月27日 一日研修旅行(米山梅吉翁墓参及び記念館来訪)予定
10月 米山月間に於いて各クラブでの奨学生による卓話
12月4日 カウンセラー会議及び奨学生主催によるクリスマス会
1月7,8日 次年度奨学生の面接・選考
3月5日 終了式
を予定しております。
特に10月の米山月間では毎年各クラブにお伺いして、奨学生による卓話を実施し、米山記念奨学事業に対し更なるご理解を頂きたいと存じますので宜しくお願い申し上げます。奨学生または地区委員の卓話を希望されるクラブは事前にご案内を致しますが、早めに御連絡をお願い申し上げます。
近年皆様にご指摘いただくのは、中国、韓国の奨学生の受け入れ人数が他の国に比べて多いのではないか、というご指摘です。
実は、現在日本に約14万人居る留学生の6割が中国籍で、次いで韓国、台湾が続き、漢字圏の地域だけで全体の8割を占めています。多様な国、地域から採用されることが理想的ですが、実際には、日本を留学先に選ぶ学生の国籍数が増えなければ難しいのが現状です。
次年度の当地区の採用奨学生16名の国籍別は、中国5名、内モンゴル2名、台湾2名、モンゴル2名、韓国、ベトナム、マレーシア、バングラデシュ、ドイツ、各1名です。一つの国に偏らないよう配慮しております。
米山記念奨学事業は、経済的に困っている学生への救済でも、特別な学業研究の奨励でもありません。母国と日本との懸け橋となるような人材を育てる、いわば教育事業であると思っています。その教育を受け持つのが世話クラブでありカウンセラーです。クラブでの活動を奨学生も一緒になって体験し、日本の素晴らしさ、日本人の気遣い、思いやりを肌で感じてもらい、母国、特に中国、韓国、台湾、ベトナム等へ世界平和への願いを持ち帰ってもらいたいと思います。
先程お知らせいたしましたが、7月9日(土)午後1時30分より女性教育会館にて予定しております部門セミナーには、奨学生、カウンセラーはもちろん、ガバナー、クラブ会長、米山委員長にも出席していただきたく存じます。
前嶋ガバナーエレクトも、本事業は日本独自の素晴らしい制度であり、将来の日本のためにも持続が必要と唱えられております。引き続き会員の皆さんに米山記念奨学事業への更なる理解を深めていただきたく存じます。
以上、一年間宜しくご指導、ご協力の程重ねてお願いいたします。