*2019‐2020年度 第2570地区「職業奉仕」の在り方
・日本のロータリーの原点「倫理観をもって職業を行うこと自体が奉仕」の精神を高め、会員に自分と自分の職業を磨く事を推奨いたします。
・様々な機会を通じて「職業奉仕」に理解を深めていただき、その結果、魅力ある、そして活力のあるクラブにしていただきたいと思っております。
(1)会長幹事会でクラブの職業奉仕担当者を加え、職業奉仕について話をする機会を設ける
(2)各クラブで「四つのテスト」を唱和すること、また「四つのテスト」のプリントを配布してそれぞれの職場に掲示することを推奨する
(3)「四つのテスト」を活用することで、気づいたことや改善したことを「報告書」にまとめる
(4)IMで「職業奉仕」に関する企画してもらう
*「職業奉仕」を考えるにあたって
・「ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として、奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。」と示されていて、職業人としてのあるべき生き方を示していると思います。そしてロータリーは、「ロータリーの目的」の実践のためにある組織であり、ロータリアンは理想とする奉仕の理念を実践する人と解釈することができるのではないかと思います。
・ロータリーが創設当初より、事業と専門職における高潔性を土台とする理念を築いてきました。ロータリークラブおよび個々のロータリアンは、職業奉仕に献身し、すべての取引において高い倫理基準を守るよう尽力します。このことは、ロータリーの目的、中核的価値観(奉仕、親睦、多様性、高潔性、リーダーシップ)、四つのテスト、およびロータリーの行動規範にて要約され、実行されるものです。
*「職業奉仕」を考えることで
・自分を磨く機会として、週1回の例会があります。例会に出席し親睦を深めるなかで、様々な情報を交換し刺激を受け、切磋琢磨して自分を磨くのではないでしょうか。ロータリー特有の親睦による自己成長は、自らの職業に対する姿勢も変化させることと思います。
・職業奉仕によって磨かれた個人が所属するロータリークラブは、魅力あるものになり、そのクラブが行なう奉仕活動も意義ある内容になると思います。そして、ロータリーの戦略計画にある「クラブのサポートと強化」、「人道的奉仕の重点化と増加」、「公共イメージと認知度の向上」に繋がると思います。
・「クラブの価値はそのクラブがいかなる人材を育てたかによって測られる」(RI会長 ウィリアムR.ロビンス 1974-75)の言葉のように、クラブの活動を通じて、各自が自分と自分の職業を磨く環境を作るのに、職業奉仕は重要な役目を果たすと思います。
「職業奉仕」という概念
ロータリーは、「ロータリーの目的」の存在目的とロータリアンの責務について記した哲学的な声明です。職業奉仕は、「目的」の第2項を土台としていて、ロータリアンは次のことを奨励し、育むことが求められています。
・職業上の高い倫理基準
・役立つ仕事はすべて価値あるものという認識
・社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものとすること
*職業奉仕はどのように実践できるでしょうか。以下にいくつかの方法をご紹介します。
・例会で、各会員が自分の職業(業績…売上や利益…向上も大切ですが、特に高潔性や倫理観、コンプライアンスの遵守等を中心)について話し、互いの職業に対する考えについて学び合う
・地域社会での奉仕プロジェクトで職業スキルを生かす
・高潔な精神で仕事に取り組み、言動を通じて模範を示すことで倫理的な行動を周囲に促す職業奉仕に意欲と熱意を感じる人にとって、ロータリーほどその実践にふさわしい場はありません。職業奉仕はロータリーの真髄であり、ロータリーをほかの団体と分かつ要素でもあります。
高潔性と倫理
高い倫理基準の実践を通じて高潔性を推進することは、ロータリアンとして不可欠の要素です。その中で生まれたのが、「四つのテスト」と「ロータリーの行動規範」の2つであり、職場や生活のあらゆる場面で倫理的行動を実践するための指針となっています。
*職場で高い倫理基準を推進するために
事業や専門職務のリーダーであるロータリアンは、従業員、同僚、地域社会全体に対して模範を示し、高い倫理基準を推進することのできる立場にあります。仕事に関連したあらゆる交流は、倫理的な行動を奨励する機会となります。ロータリアンは、日々の仕事において倫理を実践し、奨励することができます。
・従業員の雇用や研修において、誠意、責任、公平さ、尊重について説明し、重要性を強調する。
・仕事仲間による模範的な行動を称え、奨励する。
・顧客、仕事関係者と接する際は、高い倫理基準を遂行し、思いやりと熟慮をもって行動する。
*企業の社会的責任とロータリー
企業の社会的責任は、事業が行われる地域社会と環境に対して、企業が責任を持つことを意味しています。持続可能な開発のための世界経済人会議は、企業の社会的責任の定義を、「倫理的に行動し、経済開発に寄与すると同時に、労働者とその家族、ひいては地域社会と社会全体における生活の質を改善するために、企業が継続的に取り組むこと」としています。社会倫理について2012年に発行されたある記事によると、現在、企業の社会的責任には次のような明確な傾向があることがわかっています。
1.企業の事業分野と関連した寄付:企業の慈善活動を、事業内容と関連した社会問題に向ける。
2.企業が後援するボランティア・プログラムに従業員が参加:仕事へのやる気を高め、企業が持つ社会的価値観を従業員と共有する
3.企業の社会的価値観とコミットメントを伝える:ソーシャルメディアやその他の方法を活用する
国際ロータリー『職業奉仕入門』255-JA-(313)より抜粋